アメリカでのストレングスコーチとしての先に日本スポーツ界で見るもの~友岡和彦さん~
ストレングスコーチとして、日本のみならずアメリカのメジャーリーグでも幅広い経験をされてきた友岡和彦さん。積極的に行動され、学ばれた知識は、今も沢山のアスリートを支えています。今回のインタビューでは、友岡さんのバイタリティに溢れた活動のエピソードと、ストレングスコーチを目指す人達へ大きなヒントを語ってくださいました。
目次
ストレングスコーチを志したきっかけと経緯
―――まず始めに、立教大学からアメリカへ留学されていると思いますが、ストレングスコーチを志したきっかけをお聞きしたいです。
友岡 小学校で野球クラブ、中学校でハンドボール部、高校でスキー部、大学ではアメフト部で成長してきたので、将来はスポーツに携わりたいなというのがありました。それでも、1995年に大学を卒業した当時は、まだスポーツで仕事をするというイメージがありませんでした。
当時、“トレーナー”という職業自体もそれほど前例がなく、僕もマッサージ師というイメージしかありませんでした。元々、アメリカは好きで、英語も好きだったので留学はしたいなと思っていました。アメリカの学校案内を見ていた時、アスレチックトレーニングという学科があることを知ってから漠然と、好きな環境で勉強しながら、スポーツの職に就きたいと考え、留学を決めました。
―――1998年にアメリカフロリダ大学を卒業されてから、どのような経緯からトレーニング指導を始められたのでしょうか。
友岡 大学を卒業した99年当時、活躍しているトレーナーといえばプロ野球でした。僕は日本のプロ野球12球団に手紙を送りましたが1通も返事が来ず、次にアメリカのメジャーリーグでインターンを考え、30球団に手紙を送りました。1998年3月のことです。その中で1通だけ、『フロリダマーリンズ』というフロリダ州の野球チームが、1週間だけならインターンに来ていいよと返事をもらいました。
本当はその1週間の実地訓練が終わったら日本へ帰る予定でしたが、「ちょうどそのシーズンに、インターンがいないから、無償でよければ続けてもいいですよ」と言われ、さらに1年間無償で続けました。それが最初ですね。スポーツ界は人間関係や、人の繋がりが重要だなと感じます。その1年間が認められ、1999年に「アシスタントのストレングスコーチという職を作るからそこでやってみるか」と声を掛けてもらえて、フルタイムで正式に働き始めました。
それからオーナーが色々変わり、2002年「モントリオールエクスポズ」へ行きました。そこから3シーズン2004年まで、吉井理人選手や大家友和選手など出会いがありましたが、ヘッドストレングス & コンディショニングコーチを勤めました。ちょうど働いている間のことでしたが、モントリオールエクスポズは、MLBでも唯一アメリカ国外(カナダ)に拠点を持つ球団でそれほど人気が出ず、ワシントンDCに移転し「ワシントンナショナルズ」として新設されました。それが2005年で2008年の4シーズンまでです。合計334試合10シーズンをフルタイムで経験しました。
―――その後、日本に帰国された理由はどのような所にあったのでしょうか。
友岡 1つは2008年のシーズンにチームが大敗したことです。アメリカと日本の大きな違いは、アメリカは“セカンドチャンス”がありません。日本だったら、今回は調子が悪かったので、1軍のスタッフは2軍に、2軍のスタッフは1軍へ交代することができますが、アメリカでは上に登りつめて行くと残るか辞めるかの二択です。
僕の場合はヘッドコーチとして活動していましたが、チームが大敗したことで全コーチを切られました。チームと契約が無くなったという感じです。その後、どうするか悩んでいた時、他のチームでアシスタントの誘いもありましたが、10年もやっているとメジャーリーグであろうが同じことの繰り返しになります。それでは自分の成長にも繋がないと思って、新しいことに挑戦しようと決めました。
当時、アメリカで『アスリートパフォーマンス』が流行っていまして、アスリートのスポーツパフォーマンスを数値化し、効果的なトレーニングを行う施設が次々と誕生していました。「日本でも施設ができたらな」と考えていた矢先、転機がありました。スポーツ用品「アンダーアーマー」を扱っている株式会社ドームの社長にオファーをもらったことです。
それが契約失効の2日後のことです。社長自らアメリカに足を運んでいただきました。これは断る理由もないですし、運命だなと思いました。2009年から正式に「ドームアスリートハウス」に入社しました。
ストレングスコーチとしての業務内容とやりがい
―――現在のお仕事の内容やどういったアスリートをサポートしているか教えてください。
友岡 去年、アスリートハウスを独立し、「クリードパフォーマンス」という会社を立ち上げました。現在は、東京都新宿区の神楽坂でジムの物件を見つけ、7月オープンに向けて活動しています。アスリートハウスを退職してからも、個人的な活動は活発に続けてきました。例えば、野球選手をリモートでサポートしたり、登板に合わせて、アプリを使ってピッチングの相談をしたり。
サッカー選手もサポートしています。あとはドーム時代からずっと関わっていて10年になりますが、リオオリンピックの陸上4×100m銀メダリストの飯塚翔太選手もサポートしています。また、去年の10月頃から、北島康介さんが始めたプロの水泳チームがありますが、そのチームが「ISLインターナショナルスイミングリーグ」(ヨーロッパを中心としたリーグ)に参戦していて、私はパフォーマンスコーチとして活動しています。他にも、入江陵介選手や佐藤翔馬選手などトップアスリートの水泳選手を指導しています。
さらに、11月頃には日本陸上連盟のマイルリレーチーム強化スタッフにもなりました。今度の東京オリンピックもそうですが、パリオリンピックを見据えての強化チームという感じで、陸上関係の指導やその団体のサポートをしています。個人でいえば、日本代表に選ばれ銀メダルを獲得した女子バスケの安間志織選手(トヨタ自動車 アンテロープス)も指導しています。
―――仕事のやりがいや気をつけている点を教えてください。
友岡 やりがいは何か新しいことに挑戦することです。例えば、入江選手は今までウエイトトレーニングをしたことがありませんでしたが、去年から初めてそれが結果に繋がりました。「みんなの夢が叶った」そういう風に思ってもらうと嬉しいです。一番やりがいを感じます。
気をつけている点について、どの競技にも共通して言えるのは、選手に対して“自分の色”に染めないっていうことです。トレーニング理論や方法は世の中に様々あります。一方的なアプローチをした結果、効果が出る人もみえますが、逆効果になってしまう人も結構います。
しっかりと見極めて、選手の特徴や、競技に対するプレイスタイル、性格を加味しながら、“選手にとって何がベストなのか”客観的に見る必要があります。選手に合ったプログラムをしっかり考え、見せていく。自分が持っているものに対して選手を引き寄せるのではなく、選手に対して何を使ったら一番効果的なのか道具をちゃんと見定めていくことが重要なのかなと思っています。
日本とアメリカにおけるスポーツの違い
―――アスリートと関わる上で、アメリカと日本とではどのような違いがありますか。
友岡 一番違うことは「感覚」です。日本人は感覚が鋭いというか。同じはずである2つのものを比べても、違いを敏感に感じ取り、見抜くことができる。その感覚が優れている民族かなと思っています。それはいい面ですが、悪い面で言うと、感覚が鋭いからこそ、同じ状態でプレイしなければ違和感をもってしまう。
だからこそ、日本人は「準備をする」と言われているのかもしれないです。例えば、試合が重なってくると同じ状況で実力を100%出そうと思うと、絶対無理じゃないですか。どんな状況でも力を出せるという意味では、欧米が強いのかもしれないです。道具や環境が違っても戦えるという点で。
日本人はその僅かな違いに左右されてしまうのではないかと思います。だからこそ、ただアメリカや欧米で流行っているトレーニングを日本人選手がやればいいのではなく、もっと日本人が持っている良い面をしっかりと選手に落とし込めるようにコーチやトレーナーがうまく変化させる必要があると思います。ただドリルに落とし込むだけだと、特にトップ選手の感覚に馴染まないかなと思います。
アメリカでのストレングスコーチとしての経験
―――アメリカで活動されて良かった点はどのように思いますか?
友岡 ボランティアとして経験を積むという、プロのトレーナーとしてメジャーリーグに関われた経験は大きかったなと思います。まず1つはネットワークができたことです。今も何かあれば、アメリカのトレーナーに相談をしていい面を取り入れ、実践することもあります。視野を広く持って考えることができるかなと思っています。
アメリカはプロスポーツが醸成されているので、プロスポーツで経験を積むことができると考えています。向こうにはプロチームも沢山ありますし、メジャーリーグの傘下のマイナーリーグも1A〜3Aまであります。バスケットボールもアイスホッケーも数多くのチームがあり、プロスポーツに携われる機会もたくさんあります。
日本はどうしてもチーム内の情報漏洩を危惧するあまり、インターンやスタッフを外部から入れることがなかなか難しいです。でも知識的には、日本もアメリカもそれほど差はないと思います。もちろん新しいアイデアや発想・理論というのはアメリカから来ていますが、数年すれば日本にもくるし、それをもっと日本人は良いものにすることができます。
そういう点を考えると、アメリカにはいい環境があります。失敗して試行錯誤しながら勉強ができるかなと思いますね。
―――これまでに最高だった経験、印象深いエピソードを教えてください。
友岡 いっぱいありすぎてわからないです(笑) 沢山の失敗をしてきましたが、悪い意味で印象深いことが1つあります。自分がメジャーリーグ1年目の時です。ルーキーミステイクですね。想いが強いが故に暴走してしまいました。当時、僕は英語が拙いドミニカのあるピッチャー選手を指導していました。
彼もメジャーリーグで不安な中、僕自身も経験が浅く、外国人の選手を指導し始めたばかりでした。お互いに不安を感じている中ではありましたが、信頼し合っていました。僕はトレーニングで、もっと勝たせてあげたいと思って、試合の前々日ぐらいに、本当はやるべきメニューを変更し、いつもとメニューを変えてやった結果、試合当日まで彼の筋肉痛が抜けませんでした。
トップアスリートのレベルになると、最高のコンディションで試合当日に挑めないとやはり難しいものがあります。少しでも筋肉痛が残ると今までの持っているパフォーマンスが発揮できなくなる可能性があるわけです。案の定、その試合も全くアウトをとれず、1回で降板。1回に9点取られて、ワンアウトしか取れませんでした。
一応、筋肉痛ではありましたが、試合が終わった後にぐるぐる巻きにしてアイシングをしました。しかし、それを見た報道陣が集まってきて、「それは一体どうしたんだ」という感じになってしまいました。彼は拙い英語ながら、僕のせいにせず、フォローしてくれたと思いますが、それは苦い経験として今でも記憶に残っています。自分のエゴでやってはいけないと思いました。いい経験になりました。それからは状況に応じた「リスク」と「ベネフィット(利益)」を常に考えるようにしています。
他にも、印象に残っている選手がアルフォンソ・ソリアーノ選手です。彼が広島東洋カープに来る前、2005年にワシントン・ナショナルズにいた時代の話ですが、実際に彼のワークアウトのルーティンを見る機会がありました。普通の選手がトレーニングルームに来る機会は2、3回。来て3回。普通でも2回。少なくて1回、むしろ全く来ないこともあります。
でも彼は、メジャーリーグ182日中162試合、ほぼ毎日来ていました。メジャーリーグの試合は引き分けがほぼありません。雨が降ったら雨が止むまで行われます。時には夜中1時に終わることもあるし、ひどい時は午前3時半に終わったこともあります。それでも彼はトレーニングルームに来ました。
スポーツ選手において、シーズンの最初は調子がいいけど、なかなか最後まで続かないということはよくあります。どうしたら続くのかというと、彼のような継続力を持った人が続くと思います。それは、ちょっとしたことです。ソリアーノ選手のトレーニングの仕方や内容そのものはハードなものではなく、普通のものでした。
ダルビッシュ選手もそうでしたが、メジャーリーグで共通していえることは、どの選手も何かこだわりを持ちながらそれを継続して続けていることです。結果が出ない人はどうしても一喜一憂してしまう。いい時は凄くいいし、結果が出ない時はすごく悪い。そのうちに落ち込んで何もする気がなくなってしまう。そういう意味では、ソリアーノ選手の「いつもの準備」にすごくいい影響を受けたといいますか、勉強になったなと思います。
今後スポーツ界に期待していることとビジョン
―――今後、スポーツ界に期待したいことを教えてください。
友岡 もうスポーツは飽和されている状態だと思っています。様々なスポーツ理論があり人材もいます。みんながプロスポーツに就きたい、日本代表と世界を周りたいと思っている状態です。トレーニング理論についても、専門家がいて情報も揃っています。僕が独立した1つの理由は、一般の方も健康にしたいなと思ったからです。
フィットネスブームも少しありますが、結局20代・30代はボディメイクが中心です。でも子どもと年配の方には体づくりの場所がありそうでない状態です。スクワットの仕方や基本的なトレーニングの方法、体を動かすことの楽しさがわからないし、面倒くさい。でも今後、100年生きていくためには運動をしなければいけない。
運動をすると体も元気になり、心も豊かになっていきます。そこをもう少し広げていきたいと思っています。アスリートのトレーニング体制が整っていても、一般の人は健康になっているのかというとそうではありません。いまだに、生活習慣病という問題は切り離せないですし、腰痛・肩こりなどの不定愁訴も増えてきていますし、肥満も多くなっています。
自分達トレーナーがこれだけいるのに一般の人には届いてないという状態です。これからは、一般の人たちがもっと運動に参加しやすい環境や、楽しい仕組みづくりをしていく必要があります。運動の基本的な大切さを方法論も含めてもっと伝えていきたいなと思っています。
今、横浜FC(Jリーグ)と提携を結んでアカデミー事業の推進や、高齢者向けの運動についてある企業と話そうとしています。アスリートのトレーニングと一般のトレーニングについて、何が違うのかというと同じです。人間には背骨、骨盤があってその上に胸骨、頭が乗っかっている。正しい姿勢というのは誰でも同じです。
「肩関節・腰椎・胸椎・関節の健康の動きはこうです」とトレーニングをしますが、そのレベルを上げたものがアスリートであって、それの難易度や強度を下げたものがリハビリもしくは歩行訓練や転倒予防になると考えます。1つに、「人間の機能性を高めていくこと」が今後のキーワードになるかなと思っています。
―――友岡さんの今後のビジョンをぜひ教えてください。
友岡 スポーツをこれからもサポートしていきたいなと思います。自分が水泳に携わるとは思っていませんでした。それでもいい経験になったなと思っています。水泳でもある程度一定の成果が得られました。そのままアスリートのサポートを続けていきたいと思っています。
例えば、野球のピッチャーが集まるジムや女子バスケットスポーツバスケットボール選手の前十字靱帯障害予防のためのジムを作るなど、そういったもっと内容に特化したものが良いのではないかと考えます。これまでの時代は何か「全て」、「誰でも」という言葉が多かったですが、最近では「特化」した方が売れる時代です。
もう、ただのジムでは薄いです。「そこにいけば元気になれる」、「そこに行けば誰かがとお喋りできる」、「そこに行けばだれかと食事をすることができる」。その3つが高齢者に足りず、機能改善が必要だと考えています。つまり「運動」と「コミュニケーション」と「食」を広げていきたいなっていうのはあります。
みんながみんな、運動を楽しめるようなそういう社会の仕組みになっていければいいですね。それがわが社のビジョンで、目指していきたいなと思っています。現在、チラシでの紹介やご年配の方に一歩踏み出してもらうための施策をいくつか考えています。色々な人と協力して展開していきたいです。
―――これからトレーナーを目指す方へ向けて、どういうことを今のうちにやるべきか教えてください。
友岡 自分が何をすればいいか定義をすることが大切だと思います。僕であればストレングスコーチ、運動指導。そこをしっかりと見据えることです。若い頃やっておいたら良かったなと思うことは純粋にトレーニングです。まずは自分が動いていないと見せることもできないし、選手に感覚を伝えることもできないので。
最近、どうしても頭でっかちな人が多いと感じます。もちろん勉強することは大前提で絶対大切です。努力は裏切りません。でもそれだけで終わってしまう人もいるので、勉強が全てではないと伝えたいです。体つきがいいと結構尊敬されます。「おお、いい体していますね!」みたいな感じで(笑) 若い子たちがトレーナーに関わりたいと思えるような人になることが重要です。
働きやすい環境を作るためにはまず、自分の体を作ること。当たり前の事ですが、できていないことが多いです。トップの選手は辛い練習をしながら乗り越えてやってきている、いわゆる精神的にタフな方々です。ごまかしがきかない世界です。そんなアスリートを表面的な言葉だけでサポートしようとしても響かないです。それでは誰がやっても変わらないと思います。
そのため、いかに自分を信じてもらうかというのは凄く重要です。一般のジムでも同じだと思いますが、トレーナーの理論に惹かれてジムに来るというよりは、「この人といるとなにか楽しいんだよね」、「こういう人といたら自分が伸びる感じがするんだよね」とか、それが大切です。じゃあ、そのためにどうやって人を伸ばすかというとそれは結構難しいです。
自分も様々な方を面接してきましたが、知識よりも人間性が良い人を採用しています。結局、知識があっても人間性は教えられないからです。人間性が良ければ知識は教えることができます。
人間性はどうしたら伸びるかと聞かれたら、様々な経験をすることが凄く重要だと思います。いいサポートをする人は経験豊富ですし、選手も不遇な環境から育ってきた方も結構いるので、そんな選手に教えるために、自分も経験をしなければいけないと思います。
例えば、海外に行って、自分がマイノリティーになる経験や、日本とは違う価値観に触れ、人間性を膨らましていくことは勉強ぐらい重要だと思います。年をとってからなかなか人間性は変えられません。ある程度若いうちに色んな所に行っていろんな経験して、自分の全く興味のない事も自分が不快だなと思うことを見たり聞いたりすることが重要かなと思います。
一番簡単にできるのは海外旅行です。今はまだこんな時期ですが、何か海外の人と触れること。自分の興味のあるもの、本物を見に行くとか。そうすると何かしら刺激を受けると思います。
プロフィール
友岡 和彦(ともおか・かずひこ)
クリードパフォーマンス
生年月日
1971年10月16日
資格・免許
NATA公認アスレティックトレーナー
NSCA認定ストレングス & コンディショニングスペシャリスト
学歴
1995年 立教大学文学部ドイツ文学科 卒業
1998年 University Of Florida Health and Human Performance Exercise and Sports Science 卒業
経歴
1998年 MLBフロリダマーリンズ ストレングス & コンディショニングコーチ インターン
1999-01年 同チーム アシスタント ストレングス & コンディショニングコーチ
2001-04年 MLBモントリオールエクスポズ ヘッドストレングス & コンディショニングコーチ
2005-08年 MLBワシントンナショナルズ ヘッドストレングス & コンディショニングコーチ
2008-20年 ドームアスリートハウス パフォーマンスディレクター/ジェネラルマネージャー
2021-現在 クリードパフォーマンス 取締役/パフォーマンスディレクター